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人材は人財ではありません。

仕事は何のためにするのか。会社は何のためにあるのか。

人材のことを人財と表現する場合があります。私はこれに違和感を覚えます。社員は会社にとって財産、つまり、大切な存在なのだという意味なのでしょうが、その一方で財産=資産、つまり会社の所有物のようなニュアンスを感じます。

曲解? いえいえ、こう言い換えるとどうでしょう。多くの経営者が「社員の能力や実績を資産的価値」として評価しているのではないでしょうか。

これまで多くの企業で人事や教育に関するコンサルティングをさせて頂きました。コンサルティング導入当初、経営者や人事担当者が社員に対して思っていることはこんなことばかりです。

・貢献度の高い社員は継続雇用したいが、そうでない社員は退職させたい。
・社員の貢献度に応じた給与体系にしたい。貢献しない社員は出来るだけ給与を下げたい。
・未経験の社員を採用してやった、雇用してやっている。
・うちの会社が嫌ならよそに行ってもらって結構(笑)
・(退職者に対して)いずれ辞めるなら早めに辞めてもらって良かった(笑)

こんな風に考えている方々ほど、「人財」と言いたがる…
「社員と会社がWin – Win 」とか…

多くの経営者は、社員が自分や会社に帰属していると勘違いします。だから、前述した酷い考え方になります。しかし、一番の問題は、働く方々もそう誤解しているということ。「会社のためにやらなければならない」そんな思想になっていませんか。それは間違いです。

仕事は何のためにするのか。自分のためにするのです。自分を磨き、成長させ、収入を得るため。家族を守り、人生を豊かにするためです。

会社は何のためにあるのか。社員の人生の一部をお預かりし、事業を行い、その結果を社員に感謝をもってお返しするためです。

銀行から事業資金を借り、社員の皆さんからは人生の一部をお借りします。会社は債務者であって債権者ではないのです。債務者ですから社員に返済しなければなりません。まずはお金です。そして、仕事を通じ、技術、知識、ビジネススキルはもとより、主体的に行動できるマインド、課題解決能力、ダイバーシティ(多様性・許容性)、セルフエンパワーメントといった、この社会で戦うことができる実力を社員のものにすることです。

私はこれを教育と呼んでいます。