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失敗しないサブスクとは?始める前に押さえておきたいこと

サブスクリプションとは、設定された定額料金を支払ったユーザーに、製品やサービスを継続的に利用してもらうサービスです。


「サブスクの9割は失敗している。」
サブスクに興味がある方の中にはこのような情報を目にすることがあったと思います。サブスクリプションビジネスの近年国内市場規模は毎年20%前後拡大しており様々な業界において、導入される例が多くなっています。その一方で成功事例は一割程度で、サブスクリプションビジネスを成功させるには、ユーザーの多様性とニーズを調査し段階的な価格設定といった戦略的なプランを考えていく必要があります。過去の失敗例をもとに、サブスクリプションビジネスの特徴を理解していきましょう。

失敗事例から学ぶサブスクの注意点

 

▶有名スーツメーカー「AOKI」


以前若年層の利用を想定した月額7800円から始められるスーツのサブスクリプションサービスがありました。好みやサイズに合わせスタイリストが選定したスーツ一式を借りることができ、借りたものを返すことで月に1度まで他のスーツに交換できるという仕組みです。
こちらはAOKI側がバリエーション豊かな商品構成が出来ずに、顧客満足度が低くなってしまった事と、運用コストが想定外だった事が原因でサービス終了となってしまいました。
「スーツ離れが進む若年層の利用を想定していたが、実際には店舗で購入している40代などの中核顧客が多く、カニバリが起きてしまった」(業界関係者)。

サブスクの注意点① ビジネス開始時のコストが高い
ビジネスを開始する時点であらゆる商品やサービス、コンテンツなどを取り揃えておかなければならないことが挙げられます。ビジネスを開始してから少しずつ対応しようとすると、利用者には魅力的なサービスに見えず、顧客の獲得が難しくなります。そのためビジネス開始時には、相応の準備を行う必要があり、それだけ必要なコストもかかります。

 

 

▶日本酒の定期購入型EC「SAKELIFE」


日本酒に特化した事業を展開しているClear株式会社。月額3,150円で4合瓶が届く「ほろ酔いコース」と、月額5,250円で1升瓶が届く「ぐい呑みコース」の2種類。
「創業500年に老舗居酒屋店主の目利きで、顧客の好みに合わせて厳選した日本酒を届ける。」
というコンセプトが、「日本酒に興味はあっても選び方が分からない」という顧客のニーズを捉えたそうです。

着実に会員数を伸ばし利益も出ていたものの、事業スケールを大きくさせるには向かなかったそうです。誤算だったのは、契約後2年前後で会員が“卒業”していくこと。「自分の好みの日本酒が分かってきた」「自分で選べる自信がついた」といった感謝の言葉を残していることから、サービスへの不満からの解約ではなかったようです。

サブスクの注意点② 多様性を理解して顧客のニーズに答え続けることが必要
サブスクの価値として、お得感と特別感の二種類があります。このサービスでは、定額制の方が単発で購入するよりもお得感を出すことはできたかもしれませんが、コストを誤算するあまりサービスの内容が充実していない場合顧客の継続率が下がる可能性が高くなります。ニーズを捉えられなかった場合、特にレンタル系のサブスクリプションでは、「確かに料金はお得かもしれないが、そもそも欲しいデザインがない」等一度契約してもらえたのはいいものの、すぐに解約されてしまう事態になりかねません。

 


▶ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」


2018年に始めた、「おまかせ定期便」。おまかせ定期便は、「サイズ」や「服の好み」などアンケートに答えると、ZOZOTOWNの取り扱う50万点以上のアイテムが選んで送られる、というサービス。1~3カ月ごとに、服や靴など5〜10点が届きます。サービス自体の利用料金は、送料200円(税込)のみ。好みに合った商品は購入して、不要なアイテムは無料で返送できます。

「服を選ぶのが面倒なので助かる」「自分では選ばないものを選んでくれて幅が広がった」など好評の声も多かったようですが、2019年3月にはサービスを停止。その理由は同社によると、「既存会員の購入率が低かった」ため事業モデルとして成り立つのが難しいと判断したそうです。

サブスクの注意点③ 新規顧客獲得と既存顧客、どちらかに偏ると継続は難しい
新規顧客獲得にフォーカスしすぎると、既存顧客のニーズを考えることが疎かになってしまいます。
飲食店で月額10000円で1カ月何度も通い放題のようなサブスクリプションサービスがあった場合、初めのうちはお店に通えお得だったもののどんどん新規顧客が増え、なかなかお店に入れない。何てことも起こりかねません。
初回のみ安くすることは新規顧客にとっては魅力的で顧客を取り込むチャンスになる事でしょう。しかしその後の内容やアフターフォローが充実していないと、顧客が離れて行ってしまう事も多いです。

 

まとめ

サブスクリプションは、単に定額でサービスを提供すればよい、というものではありません。新規顧客を獲得しやすそうだから、新しいことを始めたいから、などといった供給の視点だけにとらわれ、ユーザーの潜在的なニーズを把握しないまま、企業主体のサービス展開になってしまうと、解約リスクが高まり、失敗に終わってしまうかもしれません。
過去の事例を参考にニーズに合ったサブスクリプションを始めてみましょう。

 

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この記事を書いた人

小川

CDD